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擁壁の作り直し工事の費用相場!1,000万円かかる?使える補助金も解説

擁壁は宅地の安全を守る大切な構造物であり、老朽化やひび割れが進むと作り直しが必要です。

とはいえ、工事には大きな費用が発生するため、事前に相場や補助金について理解を深める必要があります。

本記事では擁壁の作り直し工事の費用相場や、1,000万円以上かかるケース、さらには神奈川県で利用できる補助金の一例について解説します。

関連記事:擁壁工事の費用が高くなるケースとは?設置から解体までの費用相場を解説

擁壁の作り直しの費用相場と1,000万円かかるケース

擁壁工事の費用は、材質や規模によって大きく変動します。

一般的な費用相場

擁壁の作り直し工事では、主にブロック擁壁とRC擁壁(鉄筋コンクリート)の2種類が使われます。

1㎡あたりの費用相場は次の通りです。

材質1㎡あたりの相場
ブロック擁壁約2〜3万円
RC擁壁(鉄筋コンクリート)約3〜5万円

続いて、規模ごとの費用相場は以下の通りです。

規模ブロック擁壁の相場RC擁壁の相場規模の条件
小規模
(高さ1m×長さ5m=5㎡の場合)
約30〜50万円約50〜80万円庭・駐車場横など小さな土留め
中規模
(高さ2m×長さ10m=20㎡の場合)
約80〜120万円約120〜200万円一般的な宅地の境界や造成
大規模
(高さ3m×長さ20m=60㎡の場合)
約200〜300万円約300万円以上斜面地・宅地造成・大規模宅地

擁壁の作り直し工事に1,000万円かかるケース

擁壁の作り直し工事では、1,000万円以上の費用が発生するケースも珍しくありません。

たとえば、以下のような条件が重なることにより、規模が大きくなり費用もかさみやすくなります。

  • 規模が大きい:高さ4m×長さ30mを超える擁壁
  • RC擁壁:耐久性を重視した鉄筋コンクリート製で材料費や手間がかかりやすい
  • 立地条件が悪い:崖地や斜面、重機の搬入が難しい場所など

たとえば、120㎡を超えるRC擁壁を作り直す場合、1㎡あたり8~10万円かかることもあり、総額では1,000万円を超えてしまいます。

また、土砂の搬出入や仮設工事が必要な場合は、さらに費用が上乗せされます。

関連記事:擁壁工事に活用できる補助金|費用相場や高額になりやすいケースを解説

擁壁の作り直し工事で活用できる補助金

費用が高額になりやすい擁壁工事ですが、自治体によっては補助金制度を利用できる場合があります。

今回は神奈川県内の制度についてご紹介します。

なお、小田原市のように「小田原市ブロック塀等撤去費補助金」などは完備していても、擁壁には使えない場合もあります。

不明点がある場合や、実際の利用を検討している方は、早めの段階でお住まいの自治体へご確認ください。

横浜市の補助金制度

制度名崖地(防災)対策工事助成金制度
目的がけ崩れ等による災害の発生を防止し、人命及び住宅等の財産を保護することを目的として、崖地における補強・防災工事に要する費用の一部を助成
助成金額対象となる工事費の1/3または市で定めた工法別単価により算出した金額または限度額(400万円)のうち、いずれか少ない額
問い合わせ先建築局企画部建築防災課:045-671-2948
HPはこちら
制度名崖地(減災)対策工事助成金制度
目的大規模降雨等に伴うがけ崩れなどの災害発生を未然に防止し、被害の軽減(減災)を図ることを目的として、崖地における安全対策工事に要する費用の一部を助成
助成金額対象となる工事費の1/2または市で定めた工法別単価により算出した金額または限度額(100万円または50万円)のうち、いずれか少ない額
問い合わせ先・建築局企画部建築防災課:045-671-2948
HPはこちら


川崎市の補助金制度

制度名宅地防災工事助成金制度
目的宅地で起こる崖崩れなどの災害を防止または復旧するための工事に対し、費用の一部を助成
助成金額・宅地防災工事:工事費用の1/3かつ上限300万円
・宅地減災工事:工事費用の1/3かつ上限100万円
問い合わせ先・川崎市まちづくり局指導部宅地企画指導課:044-200-3035
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相模原市の補助金制度

度名宅地防災対策工事助成金制度
目的宅地で発生するがけ崩れ等の災害を防止、または被災崖の復旧を目的とした工事に対し、工事費用の一部を市が助成
助成金額・防災対策工事:工事費用の1/2(上限300万円)減災・対策工事:工事費用の1/2(上限100万円)
問い合わせ先・開発調整課電話審査班:042-769-8250
・指導班:042-769-8251
・盛土対策班:042-780-1418
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鎌倉市の補助金制度

制度名既成宅地等防災工事費資金助成制度
目的がけ崩れなどによる災害を未然に防止するため、擁壁設置や排水設備整備、樹木伐採などの防災工事にかかる費用を助成
助成金額・防災工事:工事費用の1/2(上限500万円)
・伐採工事:工事費用の1/2(上限100万円)
問い合わせ先・都市景観部みどり公園課がけ地対策担当:0467-23-3000(内線2579)
HPはこちら

逗子市の補助金制度

制度名防災工事費助成制度
目的がけ崩れ、水害、立木倒壊などによる危険から人命・財産を守るために、崖地等で行う防災工事および伐採工事の一部を助成
助成金額・防災工事:工事費用の1/2以内(上限200万円)
・木竹の伐採および運搬処分:工事費用の1/2以内(上限10万円)
問い合わせ先・環境都市部都市整備課都市整備係:046-872-8162
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秦野市の補助金制度

制度名成宅地防災工事補助金
目的既成宅地において、崖崩れの防止または災害による被害の復旧を目的とする工事に対し、費用の一部を補助
助成金額・構造物の設置等:工事費用の1/2(上限200万円)
・排水施設設備等:工事費用の1/2(上限15万円)
問い合わせ先・くらし安心部 防災課 防災担当:0463-82-9621
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厚木市の補助金制度

制度名厚木市急傾斜地安全対策工事補助金交付制度
目的市内におけるがけ崩れの防止や、がけの被災による復旧工事を促進し、市民の生命・身体・財産を守るとともに、災害に強いまちづくりを図ること
助成金額・自然がけ:補助対象工事費の1/2(上限300万円)
・人工がけ:補助対象工事費の1/3(上限300万円)
・立木伐採:補助対象工事費の1/2(上限100万円)
問い合わせ先・電話:046-223-1511(代表)
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葉山町の補助金制度

制度名葉山町がけ地防災対策工事費等補助金交付制度
目的がけ地の崩壊による災害から町民の皆様の生命・財産を守ることを目的とし、がけ地の防災対策工事の施工に係る費用について補助金を交付
助成金額対象の防災対策工事に要する経費の1/2以内(限度額200万円)
問い合わせ先・防災安全課:046-876-1111
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松田町の補助金制度

制度名災害予防対策助成金事業
目的大雨や地震などの自然災害に備え、町内の土砂災害特別警戒区域にある自然がけ(自然斜面)などの安全確保に必要な対策工事を行う所有者に対して、工事費用の一部を助成
助成金額・工事に要する費用の1/2(上限50万円)
問い合わせ先・安全防災担当室 防災防犯係:0465-84-5540
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愛川町の補助金制度

制度名愛川町急傾斜地安全対策工事等補助金
目的町民の 生命・身体・財産 を守るため、町内で発生しうるがけ崩れを防ぐための工事や、過去に発生した災害の復旧工事、また危険な木の伐採工事に要する費用の一部を補助
助成金額・安全対策工事:補助対象工事に要する費用の1/3以内の額(限度額300万円)
・危険木伐採工事:補助対象工事に要する費用の1/2以内の額(限度額30万円)
問い合わせ先・道路課 道路管理班:046-285-6941
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擁壁の耐用年数

擁壁は一度作ると長持ちしますが、永久に劣化しないわけではありません。

一般的な耐用年数は以下の通りです。

  • ブロック擁壁:20~30年程度
  • RC擁壁(鉄筋コンクリート):40~50年程度

ただし、立地条件や施工品質によっても耐用年数が変わります。

ひび割れや傾きが見られる場合は、早めに専門業者へ相談することが大切です。

関連記事:擁壁工事が必要な場合とは?擁壁工事の許可申請が必要な場合もある!

擁壁の作り直しならヒマリテックにご相談ください

擁壁工事には専門的な知識と経験が求められるため、信頼できる業者に依頼することが大切です。

ヒマリテックでは現地調査から設計・見積もり・施工、そして完成後のアフターフォローまで一貫して対応しています。

また、ただ作り直すだけでなく、土地の形状や利用目的に合わせた最適な施工方法もご提案します。

補助金制度が活用できる場合は、手続きに関してもサポートしており、不明点がある場合も安心してお任せいただけます。

「工事にかかる費用が知りたい」「今すぐではなくても、今後の工事のために相談しておきたい」といったご相談も大歓迎です。

まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

擁壁の作り直しには、数十万円から数百万円、場合によっては1000万円を超える費用がかかります。

特にRC擁壁や大規模な工事は高額になりやすいため、補助金を活用するとともに、信頼できる業者を選びましょう。

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