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浄化槽や汲み取り式トイレから公共下水道に切り替えるべき?判断基準や費用相場・補助金を解説

「浄化槽を使っているけど、このままでもいいの?」

「下水道に切り替えろと言われたけど本当に必要なの?」

実際、自治体によっては公共下水道の整備後、一定期間内に公共下水道への切り替えを義務づけている地域もあります。

また、費用や手続きなど、確認しておくべき点もさまざまです。

本記事では、浄化槽や汲み取り式トイレの切り替えの判断基準、また、下水道切り替えにかかる費用の目安、切り替えの際に使える補助金などについても丁寧に解説します。

浄化槽や汲み取り式トイレから公共下水道に切り替えの判断基準

公共下水道が使える地域になると、浄化槽や汲み取り式トイレをそのまま使えるかどうかは自治体の条例で決まります。

その際の判断基準は、自宅が「下水道処理区域」に入っているかどうかです。

この区域に指定された場合、基本的には下水道への切り替えが必要になりますが、浄化槽と汲み取り式トイレでは義務の扱いが異なるため、設備ごとの基準を確認することが重要です。

浄化槽の場合

公共下水道の処理区域になると、浄化槽も基本的には下水道へ切り替えるよう求められます。

単独浄化槽は新設が禁止されており、合併浄化槽でも「できるだけ早く切り替えること」が原則です。

期限が決まっていない自治体もありますが、長期間放置すると指導を受ける可能性があります。

汲み取り式トイレの場合

汲み取り式トイレは、下水道が整備された場合、原則3年以内の水洗化が義務です。

すでに多くの自治体で条例化されていますが、期限を過ぎても切り替えない場合は行政からの指導や罰則の対象になることもあります。

浄化槽・汲み取り式トイレから下水道へ切り替える際の費用の目安

浄化槽や汲み取り式トイレを使っている家庭が下水道に切り替える場合、その費用は設備の種類によって大きく変わります。

以下、浄化槽と汲み取り式トイレの費用の目安について詳しく解説します。

浄化槽から下水道へ切り替える際の費用の目安

浄化槽から下水道に切り替える場合、総額でおよそ15万〜30万円程度が目安です。

この費用には、配管工事・浄化槽の清掃・撤去費用などが含まれ、敷地条件や工事規模によって増減します。

【主な費用の内訳】

  • 下水道への接続工事: 約10万〜20万円 合併浄化槽を使っている家庭で、軽い配管工事だけで済む場合の目安
  • 撤去前の浄化槽清掃: 約2万〜4万円 撤去前に汚泥を抜く作業。未清掃だと追加費用が発生する場合も
  • 浄化槽の撤去費用: 約3万〜7万円 5〜7人槽の場合の埋め戻し、または撤去費用

浄化槽から下水道に切り替える工事費は一律ではなく、土地の状態・浄化槽の位置・下水道本管との距離などによって変わります。

条件によっては、上記より高くなるケースもあるため、事前に見積もりを取っておくと安心です。

汲み取り式トイレを下水道に切り替える際の費用の目安

汲み取り式トイレを下水道へ切り替える場合、費用の目安はおよそ60万〜100万円です。

トイレの水洗化工事に加えて、便槽の撤去や排水設備の整備も必要になるため、浄化槽からの切り替えよりも費用が高くなる傾向があります。

【主な費用の内訳】

  • 下水道への切り替え工事:
    約20万〜40万円 道路側の下水道本管から敷地内へ排水管を引き込む工事
  • トイレ本体の設置費:
    約10万〜30万円 洋式水洗トイレや関連設備の導入費用
  • 内装・配管工事費:
    約10万〜20万円 床や壁の改修、排水管の新設など
  • 便槽の撤去・埋め戻し費用:
    約10万〜20万円 汲み取り式トイレのタンク撤去または埋め戻し

費用は建物の構造や敷地条件によって変動するため、正確な金額を知るには見積もりが必要です。

浄化槽や汲み取り式トイレの切り替えで使える補助金

浄化槽や汲み取り式トイレから下水道へ切り替える際は、各市町村など自治体によって補助金制度が設けられている場合があります。

特に、単独浄化槽の撤去費用や下水道への接続費用の一部を助成する制度が多く見られます。

【補助金の対象となる主なケース】

  • 単独浄化槽の撤去:
    撤去・清掃・埋め戻しにかかる費用の一部を補助
  • 下水道への切り替え工事:
    宅地内排水設備工事(負担金・工事費)の一部を助成
  • 汲み取り式トイレの改善:
    水洗トイレ化に伴う工事費の支援制度がある自治体も

補助金の内容や金額は自治体によって異なるため、詳しく知りたい場合は、お住まいの市区町村の上下水道課や下水道整備課、環境衛生・生活環境課などに問い合わせるのが確実です。

浄化槽や汲み取り式トイレの工事内容と仕組み

浄化槽や汲み取り式トイレの工事内容や仕組みについて解説します。

浄化槽とは

浄化槽は、家庭から出る排水を敷地内で処理する設備です。

種類は次の2つです。

  • 単独浄化槽:
    トイレの排水(し尿)のみを処理するタイプ。新設はすでに禁止されています
  • 合併浄化槽:
    トイレに加え、台所・風呂・洗面所などの生活排水も処理できます

ちなみに、浄化槽を使う場合は、年に数回の保守点検と、年1〜2回の清掃が必要です。

汲み取り式トイレとは

汲み取り式トイレは、排泄物を地中のタンク(便槽)にためておき、業者が定期的に汲み取る方式です。

排水を浄化せずに貯留するため、臭いや虫が発生しやすく、月1〜2回ほどバキュームカーによる汲み取り作業が必要になります。

公共下水道とは

公共下水道とは、家庭や事業所から出る汚水を排水管で下水道本管に流し、下水処理場でまとめて浄化する仕組みのことです。

浄化後の水は、川や海などの公共用水域に放流されます。

この設備は自治体が管理しており、利用者は下水道使用料を支払うことで利用します。

浄化槽・汲み取り式から下水道への切り替え工事の流れ

下水道への切り替え工事は、家庭の排水設備を浄化槽や汲み取り式トイレから下水道本管へ接続し、排水を直接処理施設へ流すようにするというものです。

【浄化槽の工事の流れ】

  1. 配管状況や浄化槽の位置など事前調査
  2. 工事の見積もり
  3. 排水管の切り替え工事
  4. 浄化槽の処理
  5. 役所への届け出
  6. 自治体による検査

【汲み取り式トイレの工事の流れ】

  1. 便槽(トイレ下のタンク)の位置や配管ルートなど現地確認
  2. 工事の見積もり
  3. 水洗トイレの設置工事
  4. 下水道本管への接続
  5. 便槽の処理(撤去または埋め戻し)
  6. 必要に応じて内装工事・床の補修

浄化槽や汲み取り式トイレから公共下水道に切り替えるメリット

浄化槽や汲み取り式トイレを使い続ける場合と比べて、公共下水道に切り替えることで日々の管理や衛生面での負担が大きく軽減されます。

【主なメリット】

  • 年に数回必要だった浄化槽の点検・清掃が不要になる
  • 排水をためずに流せるため、浄化槽や汲み取り式特有の臭いや虫の発生を抑えられる
  • 汲み取り作業の手配や費用が不要になる

浄化槽を撤去する際の注意点

浄化槽を撤去した後は、「浄化槽使用廃止届出書」を自治体に提出する必要があります。

撤去工事が完了した日から30日以内の提出が義務とされていて、期限を過ぎると受理されない場合もあります。

届出書の様式は、各都道府県や市区町村のホームページで公開されており、ダウンロードして記入する形が一般的です。

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まとめ

浄化槽や汲み取り式トイレを使っている場合でも、地域で公共下水道の整備が進むと、一定期間内に切り替えを行わなければならないことがあります。

工事や費用、補助金の申請などの負担はありますが、下水道へ切り替えることで、清掃や汲み取りの手間がなくなり、臭いや虫といった衛生面の悩みも解消しやすくなります。

浄化槽や汲み取り式トイレの公共下水道への切り替え工事は、高額になりやすいため、補助金を活用するとともに、信頼できる業者を選びましょう。

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